塩風呂具

オフロードバイクがメインです。

からゆきさん

どうも年末って感じがしない「黄色F改」です。



だって夏なんだもん。



寒くないんだもん。




で、年末年始って日本は寒いそうですね。


なんでも雪が降ったりしちゃうとか。



暑いのも嫌やけど、寒すぎるのもどうかと思われる今日この頃。。。












シンガポールはいつもイラッとくるほどの常夏。。。



暑い中、「日本人墓地」に来ました。



電車とバスを乗り継いで、朝から釣りしてボウズでの帰り道。



シンガポールに来たら是非にでも訪れたかった場所の一つでもあります。


入り口の門柱にはなぜかポスト。

異国情緒があふれてます。










なんで?

って思うような住宅街の中にこのような墓地があります。

もともとココはゴムの木が沢山植えられてて、そこの一部を墓地にしたんだそう。


ここシンガポールで成功を収めた「二木多賀次郎」っていう方が、所有していた場所を提供したんだそう。


もともと、この地で亡くなった方は牛や馬と同じ場所にポイって捨てられていたんだそう。


いくらなんでもそれは無いでしょ!って事で自らの身を削ってくれたんだそうな。


当時のシンガポールはイギリスの植民地であったために、申請やらなんやらで3年ほど墓地として認めてもらうのに時間が掛かったそうな。











もちろん、ここシンガポールで亡くなられた方は皆さん奉られておられます。


戦争で亡くなられた方も含まれます。


何とか連隊とか、故陸軍少尉ナントカさん等など。









数え切れない数の墓石と、その魂がこの地に集まってきています。


1888年にこの墓地が認められて、戦後に接収され、今は30年+20年のオプションでシンガポール政府よりリースされている。











墓にはお賽銭が日本円で置かれていた。

そこまで気の利かなかった僕は1$コインを右のほうに2枚。


特別の意味は無いが2枚だ。











そしてココには「からゆきさん」と呼ばれた娼婦の方の墓石が無数に立ち並んでいる。

貧困にあえぐ日本での生活からの脱出を図ったのか何なのかは解らないけど、沢山の方がこの地に還っていったのである。


ちなみに「からゆきさん」とは戦後の言い方らしい。


当時、唐(中国)へ新天地を目指して出て行った方を「唐行きさん」と蔑称していたようです。


フィリピンから日本に出稼ぎに来ていた「ジャパゆきさん」と言う言い方も蔑称と言う事になりますね。



こんな南方まで来て、体を売って誰ともわからず人知れず死んでゆく。


その当時、この世に生を受けて生まれてきたのに、このような形で生涯を終わるのって悲しすぎやしませんか。


しかも、この墓地が無い頃には、死ねば犬猫と同じように扱われて、そこいら辺の空き地に捨てられていた訳です。



死ぬ間際にその原っぱにうずくまって命の火が消えるまでに、いったいどんな事を思い浮かべていたのでしょう。


故郷の事や、幼い頃に甘えた母の事などでしょうか。

今までに沢山の苦労と楽しかった事を思い浮かべながら、その場で誰にも看取られず命を全うするその悲しさ。



無数にある一つ一つの墓石を見ながら、自分自身が当時ココにいてもしもの事が起こった場合を想像すると、キュっと締め付けられる気持ちになります。











そんな僕の姿をどこで見ていたのか、声を掛けていただきました。

片言の日本語で話しかけてくれて、御堂に案内してくれました。










戦後しばらく放置されていてシロアリにやられたらしく、この御堂で3代目らしい。


その御堂の鍵を開けて中に入れてくれた。


どうやら管理のおいちゃんらしい。









線香を上げさせてもらい、湿りまくった自前のお香も焚かせてもらって手を合わす。







その御堂の入り口には募金箱があって、100$以上でどっかに名前を入れてもらえるらしい。



もしもココに行く機会があったら、僕の名前を探してください。

どっかにあるようです。


いつ入れるのかは知りませんが。。。










墓地から真っ直ぐ帰るのもどうかと思ったので、クランジの日本軍上陸地点に寄り道しました。

いや、寄り道と言うよりわざわざ向かったと言ったほうが正解かも。


クランジ駅からバスで15分ほど。


まっちがいなく低所得者の治安悪そうな感じの場所を抜けた先にあります。












僕も気を使いすぎて疲れましたが、彼も疲れているようです。



シンガポールで中々みかけない光景なのかも。。。。

















さ、今年の更新はコレが最後かもしれません。




皆様、よいお年をお迎えください。


では。